カテゴリシート構造の改善

このモジュールで学ぶこと

• カテゴリシート（canva_A〜E）の新しい13列構成
• GASを使ったヘッダー一括更新
• n8n「Canva用シート振り分け」ワークフローの更新

学習目標

このモジュールを終えると、以下のことができるようになります：

• 新しいスライド構造（6セット + CTA固定画像）に対応したシート設計を理解する
• GASで複数シートのヘッダーを一括更新する
• n8nのCodeノードとGoogle Sheetsノードのマッピングを更新する

目次

• セクション1: 新しい列構成の理解
• セクション2: GASでヘッダーを一括更新
• セクション3: n8nワークフローの更新
• トラブルシューティング
• まとめ
• よくある質問

事前準備

必要なもの

• Module 03まで完了していること
• スプレッドシートへのアクセス権限
• n8nへのアクセス

セクション1: 新しい列構成の理解

旧構成の問題点

これまでのcanva_A〜Eシートは16列構成でした：

この構造には以下の問題がありました：

• ナレーションとスライドの対応関係が不明確
• 60秒動画に対してコンテンツ量が不足
• カテゴリ特性（A〜E）が活かされていない

新しい13列構成

新しい構成では、6セットのスライド構造に対応します：

変更のポイント

CTAは毎回同じ画像を使い回すため、Geminiで生成する必要がなくなりました。

チェックポイント

• 新しい13列構成を理解した
• 旧構成との違いを把握した

セクション2: GASでヘッダーを一括更新

ステップ1: Apps Scriptを開く

スプレッドシートで「拡張機能」→「Apps Script」を開きます。

ステップ2: コードを貼り付け

以下のコードを貼り付けます：

/**
 * canva_A〜Eシートのヘッダーを新しい13列構成に変更
 * 1度だけ実行してください
 */
function updateCanvaSheetHeaders() {
  const ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();

  const newHeaders = [
    'post_id',
    'narration_1',
    'narration_2',
    'thumb_main',
    'thumb_sub',
    'set_1',
    'set_2',
    'set_3',
    'set_4',
    'set_5',
    'set_6',
    'audio_status',
    'main_tool'
  ];

  const canvaSheets = ['canva_A', 'canva_B', 'canva_C', 'canva_D', 'canva_E'];

  canvaSheets.forEach(sheetName => {
    const sheet = ss.getSheetByName(sheetName);
    if (!sheet) {
      Logger.log(sheetName + ' が見つかりません');
      return;
    }

    // 既存データがあれば警告
    const lastRow = sheet.getLastRow();
    if (lastRow > 1) {
      Logger.log('警告: ' + sheetName + ' に既存データがあります（' + (lastRow - 1) + '行）');
    }

    // 1行目をクリアして新ヘッダーをセット
    const lastCol = sheet.getLastColumn();
    if (lastCol > 0) {
      sheet.getRange(1, 1, 1, lastCol).clearContent();
    }

    sheet.getRange(1, 1, 1, newHeaders.length).setValues([newHeaders]);

    Logger.log(sheetName + ' のヘッダーを更新しました');
  });

  Logger.log('完了: 全シートのヘッダーを13列に更新しました');
}

ステップ3: 実行

updateCanvaSheetHeadersを選択して実行します。

GAS実行結果：

実行ログで以下を確認してください：

• 各シート（canva_A〜E）のヘッダーが更新されたこと
• 「完了: 全シートのヘッダーを13列に更新しました」と表示されること

ステップ4: コードを削除

実行後、このコードは不要なので削除してください（1度限りの使用）。

チェックポイント

• GASコードを貼り付けた
• 実行して全シートのヘッダーが更新された
• 使用後のコードを削除した

セクション3: n8nワークフローの更新

概要

「Canva用シート振り分け」ワークフローを新しい13列構成に対応させます。

ワークフロー全体図：

更新が必要なノード：

1. Parse JSON & Category - Codeノードの出力フィールド
2. Append to canva_A〜E - Google Sheetsノードのマッピング

ステップ1: Parse JSON & Categoryノードを更新

Codeノードを開き、以下のコードに置き換えます：

const results = [];

for (const item of $input.all()) {
  const postId = item.json.post_id;
  const contentJsonStr = item.json.content_json;

  if (!contentJsonStr) continue;

  try {
    const json = JSON.parse(contentJsonStr);
    const pattern = json.pattern || '';

    let category = '';
    switch (pattern) {
      case 'versus': category = 'A'; break;
      case 'instant_hack': category = 'B'; break;
      case 'secret_feature': category = 'C'; break;
      case 'warning': category = 'D'; break;
      case 'ranking': category = 'E'; break;
      default: category = 'C';
    }

    results.push({
      json: {
        post_id: postId,
        category: category,
        narration_1: json.narration_1 || '',
        narration_2: json.narration_2 || '',
        thumb_main: json.thumb_main || '',
        thumb_sub: json.thumb_sub || '',
        set_1: json.set_1 || '',
        set_2: json.set_2 || '',
        set_3: json.set_3 || '',
        set_4: json.set_4 || '',
        set_5: json.set_5 || '',
        set_6: json.set_6 || '',
        audio_status: 'NORMAL',
        main_tool: json.main_tool || ''
      }
    });
  } catch (e) {
    // skip invalid JSON
  }
}

return results;

Parse JSON & Categoryノードの設定：

ステップ2: Append to canva_Aノードを更新

Google Sheetsノードを開き、「Values to Send」を以下のように設定します：

Append to canva_Aの設定画面：

ステップ3: canva_B〜Eも同様に更新

残りの4つのノード（Append to canva_B〜E）も同じマッピングに更新します。

全カテゴリで同じ13列構成を使用するため、マッピング内容は同一です。

チェックポイント

• Parse JSON & Categoryノードを更新した
• Append to canva_Aのマッピングを更新した
• Append to canva_B〜Eも同様に更新した

トラブルシューティング

GASで「シートが見つかりません」と表示される

症状: 実行ログに「canva_A が見つかりません」等と表示される

解決方法: スプレッドシートにcanva_A〜Eシートが存在するか確認してください。シート名が完全に一致している必要があります（大文字小文字も含む）。

n8nでマッピングエラーが発生する

症状: 「Column not found」エラーが表示される

解決方法:

1. スプレッドシートのヘッダー行が正しく更新されているか確認
2. Google Sheetsノードで「Refresh」ボタンを押してスキーマを再取得

まとめ

このモジュールで学んだこと

• 新しい13列構成の設計理由と構造
• GASを使った複数シートのヘッダー一括更新
• n8nのCodeノードとGoogle Sheetsノードの更新方法

次のステップ

次のセクションでは、「SNS投稿作成」ワークフローのGeminiプロンプトを改善版に更新し、新しい13列構成でコンテンツを生成できるようにします。

参考資料

• CONTENT-QUALITY.md - プロンプト設計、スライド構造の詳細

よくある質問

Q: なぜ16列から13列に減ったのですか？ A: CTAを固定画像化したこと、サムネイルを改行区切りで圧縮したことで列数が減りました。一方でmain_tool列を追加し、メイン紹介ツールを明示的に管理できるようになりました。

Q: 旧データとの互換性はありますか？ A: ありません。このモジュールの変更は、今後生成するコンテンツに適用されます。既存データはarchiveシートに保存されており、旧構造のままです。

Q: カテゴリEだけ構造が違うのでは？ A: 列構成は全カテゴリ共通です。ただし、set_2〜set_6の「用途」がカテゴリによって異なります（A〜Dは展開/核心/結論、Eは第5位〜第1位）。

Q: main_tool列は何に使いますか？ A: そのコンテンツで紹介するメインツール名が入ります。比較系（カテゴリA）や紹介系（カテゴリB, C）で使用し、ランキング系（カテゴリE）では空欄になることがあります。

Q: archiveAndCleanCanvaSheetsのGASは修正が必要ですか？ A: いいえ、sheet.getLastColumn()で動的に列数を取得しているため、そのまま動作します。