Docker Desktop インストールガイド

15-20分⭐☆☆☆☆

このモジュールで学ぶこと

  • Docker Desktopとは何か
  • Windows/Mac向けインストール手順
  • 正常にインストールされたかの確認方法

学習目標

このモジュールを終えると、以下のことができるようになります:

  • Docker Desktopがインストールされている
  • ターミナルでDockerコマンドが実行できる
  • Docker Desktopを起動・停止できる

目次


セクション1: Docker Desktopとは

Dockerの概要

Docker(ドッカー)は、アプリケーションを「コンテナ」という単位で動かす技術です。

なぜDockerを使うのか

従来の方法Dockerを使う方法
複雑な環境構築が必要コマンド1つで起動
環境差異でエラーが起きるどのPCでも同じ動作
アンインストールが大変コンテナ削除で完了

Docker Desktopとは

Docker Desktopは、WindowsやMacでDockerを簡単に使えるようにするアプリケーションです。

  • GUI(画面) でコンテナを管理できる
  • 自動起動 でDockerを常に使える状態に
  • 無料 で個人利用可能

セクション2: システム要件

Windows

項目要件
OSWindows 10 64bit (Build 19041以降) / Windows 11
メモリ4GB以上(8GB推奨)
CPU64bit、仮想化対応
ストレージ20GB以上の空き容量

Mac

項目要件
OSmacOS 12 (Monterey) 以降
メモリ4GB以上(8GB推奨)
CPUApple Silicon (M1/M2/M3) または Intel
ストレージ20GB以上の空き容量

確認方法

Windowsの場合

  1. Windowsキー + I で設定を開く
  2. 「システム」→「バージョン情報」
  3. Windowsのバージョンとビルド番号を確認

Macの場合

  1. 左上のリンゴマーク →「このMacについて」
  2. macOSのバージョンを確認

セクション3: ダウンロード

公式サイトにアクセス

以下のURLからDocker Desktopをダウンロードします:

https://www.docker.com/products/docker-desktop/

ダウンロード手順

  1. 上記URLにアクセス
  2. 「Download for Windows」または「Download for Mac」をクリック

Docker Desktop ダウンロードページ

どちらをダウンロードする?

Windowsの場合

AMD64(x86_64) を選択してください。ほとんどのWindows PCはこちらです。

Macの場合

Macには2種類のダウンロードがあります:

チップ選択対象
M1, M2, M3, M4ARM64(Apple Silicon)2020年以降のMac
IntelAMD64(Intel chip)2020年以前のMac

自分のMacを確認する方法

  1. 左上の リンゴマーク をクリック
  2. 「このMacについて」 を選択
  3. 表示を確認:
    • 「チップ」に Apple M1/M2/M3/M4 と書いてあれば → ARM64
    • 「プロセッサ」に Intel と書いてあれば → AMD64

Macのチップ確認

チェックポイント

  • Docker Desktopのインストーラーがダウンロードされた
  • ファイル名: Docker Desktop Installer.exe(Windows)または Docker.dmg(Mac)

セクション4: インストール(Windows)

インストール手順

1. インストーラーを実行

ダウンロードした Docker Desktop Installer.exe をダブルクリック

2. 設定画面

以下のオプションが表示されます:

オプション推奨説明
Use WSL 2 instead of Hyper-Vチェック入れるLinuxコンテナ用(n8nはこれで動く)
Add shortcut to desktopお好みでデスクトップにショートカット作成
Allow Windows containersチェック不要Windows専用アプリ開発用(n8nには不要)

Docker インストール設定

「OK」をクリックしてインストール開始

3. インストール完了

インストールが完了すると「Close and restart」ボタンが表示されます。

PCを再起動 してください。

WSL 2について

WSL 2(Windows Subsystem for Linux 2)は、Windows上でLinuxを動かす仕組みです。

Docker DesktopはWSL 2を使うことで、より高速に動作します。

WSL 2のインストール手順

インストール中または起動時に「WSL 2のインストールが必要」「コマンドラインが無効」などと表示された場合、以下の手順でWSL 2をセットアップします。

手順1: PowerShellを管理者権限で開く
  1. スタートメニューで「PowerShell」を検索
  2. 右クリック →「管理者として実行
手順2: WSLをインストール
wsl --install

このコマンドでインストールできれば、PCを再起動して完了です。

「無効」エラーが出た場合

wsl --installで「無効」などのエラーが出た場合、Windowsの機能を手動で有効にする必要があります。

方法A: コマンドで有効化(推奨)

PowerShell(管理者)で以下を順番に実行:

dism.exe /online /enable-feature /featurename:Microsoft-Windows-Subsystem-Linux /all /norestart
dism.exe /online /enable-feature /featurename:VirtualMachinePlatform /all /norestart

その後PCを再起動し、再度 wsl --install を実行。

コマンドの意味:

部分意味
dism.exeWindows機能を管理するMicrosoft公式ツール
/online今動いているWindowsに対して実行
/enable-feature機能を有効化する
/featurename:...有効にする機能の名前
/norestart自動で再起動しない

安全性: これはMicrosoft公式の手順です。Windowsに元々含まれている機能をONにするだけで、何かをインストールするわけではありません。

方法B: 画面操作で有効化

コマンドが不安な場合は、画面操作でも同じことができます:

  1. スタートメニューで「Windows の機能の有効化または無効化」を検索して開く
  2. 以下の2つにチェックを入れる:
    • Linux 用 Windows サブシステム
    • 仮想マシン プラットフォーム
  3. 「OK」をクリック
  4. PCを再起動
  5. 再起動後、PowerShell(管理者)で wsl --install を実行
「カーネルファイルが見つかりません」エラーが出た場合

WSLの状態確認(wsl --status)で以下のようなメッセージが表示された場合:

WSL 2 カーネル ファイルが見つかりません。カーネルを更新または復元するには、'wsl.exe --update' を実行してください。

以下のコマンドでカーネルをインストールします:

wsl --update

これでWSL 2カーネルがダウンロード・インストールされます。

WSLの状態確認方法

現在のWSLの状態を確認するには:

wsl --status

正常な場合、以下のように表示されます:

既定のバージョン: 2

チェックポイント

  • Docker Desktopのインストールが完了した
  • WSL 2がセットアップされた(必要な場合)
  • PCを再起動した

セクション5: インストール(Mac)

インストール手順

1. DMGファイルを開く

ダウンロードした Docker.dmg をダブルクリック

2. アプリケーションフォルダにドラッグ

表示されたウィンドウで、DockerアイコンをApplicationsフォルダにドラッグ&ドロップ

Docker Mac インストール

3. Docker Desktopを起動

Launchpadまたはアプリケーションフォルダから「Docker」を起動

4. セキュリティ許可

初回起動時、以下の許可を求められます:

  • 「"Docker"はインターネットからダウンロードされたアプリケーションです」→「開く」
  • システム拡張機能の許可 →「許可」
  • ネットワークアクセスの許可 →「許可」

チェックポイント

  • Docker DesktopがApplicationsフォルダにインストールされた
  • 初回起動の許可を完了した

セクション6: 初回起動と設定

Docker Desktopの起動

Windows

  • スタートメニューから「Docker Desktop」を検索して起動
  • またはデスクトップのショートカットをダブルクリック

Mac

  • Launchpadから「Docker」を起動
  • またはアプリケーションフォルダから起動

初回起動時の画面

初回起動時、いくつかの画面が順番に表示されます。

画面1: 利用規約(Docker Subscription Service Agreement)

「Accept」をクリックしてください。

利用形態料金
個人利用無料
教育・学習目的無料
小規模企業(従業員250人未満)無料
大企業有料

n8nの学習・個人利用なら無料で使えます。

画面2: アカウント登録(Welcome to Docker Desktop)

スキップしてOKです。

メールアドレスの登録やDocker Hubアカウントの作成を求められますが、n8nには不要です。

以下のいずれかをクリックしてスキップ:

  • Skip
  • Continue without signing in
  • Skip for now

画面3: アンケート(Survey)

これもスキップでOKです。

「Skip」をクリックして進んでください。

起動完了の確認

Docker Desktopが正常に起動すると:

  • Windows: タスクバー(右下)にクジラのアイコンが表示
  • Mac: メニューバー(右上)にクジラのアイコンが表示

クジラのアイコンが静止していれば起動完了です。

注意: アイコンがアニメーション中は起動処理中です。静止するまで待ってください。

推奨設定

Docker Desktopの設定画面(歯車アイコン)で以下を確認:

General

  • Start Docker Desktop when you sign in → チェックを入れる(PC起動時に自動起動)

Resources(リソース)

  • Memory: 4GB以上(8GB推奨)
  • CPUs: 2以上

チェックポイント

  • Docker Desktopが起動した
  • タスクバー/メニューバーにクジラアイコンが表示された
  • アイコンが静止している(起動完了)

セクション7: 動作確認

ターミナルを開く

Windows

  1. スタートメニューで「cmd」または「PowerShell」を検索
  2. 「コマンドプロンプト」または「PowerShell」を起動

Mac

  1. Spotlight(Command + Space)で「Terminal」を検索
  2. ターミナルを起動

Dockerバージョン確認

以下のコマンドを実行:

docker --version

正常な出力例

Docker version 28.1.1, build 4eba377

バージョン番号が表示されればOK。

Docker Composeバージョン確認

docker-compose --version

正常な出力例

Docker Compose version v2.35.1-desktop.1

テストコンテナの実行

Dockerが正常に動作するか確認:

docker run hello-world

正常な出力例

Hello from Docker!
This message shows that your installation appears to be working correctly.
...

「Hello from Docker!」と表示されれば成功です。

チェックポイント

  • docker --version でバージョンが表示された
  • docker-compose --version でバージョンが表示された
  • docker run hello-world が成功した

トラブルシューティング

「docker: command not found」エラー

原因: Docker Desktopが起動していない、またはパスが通っていない

解決方法:

  1. Docker Desktopを起動する
  2. クジラアイコンが静止するまで待つ
  3. ターミナルを新しく開き直す

「Cannot connect to the Docker daemon」エラー

原因: Docker Desktopが完全に起動していない

解決方法:

  1. Docker Desktopを再起動
  2. 1-2分待ってから再度コマンドを実行

Windows: 「WSL 2 installation is incomplete」エラー

解決方法:

  1. 管理者権限でPowerShellを開く
  2. 以下を実行:
wsl --update
  1. PCを再起動

Windows: 「Hyper-V is not enabled」エラー

解決方法:

  1. 「Windows の機能の有効化または無効化」を開く
  2. 「Hyper-V」にチェックを入れる
  3. 「Windows ハイパーバイザー プラットフォーム」にチェックを入れる
  4. PCを再起動

Windows: 「Virtualization support not detected」エラー

原因: BIOSで仮想化機能が無効になっている

仮想化技術とは?

仮想化技術(Virtualization Technology)とは、1台のPCの中で「仮想的なPC」を動かすための技術です。

項目説明
Intel VT-xIntel製CPUの仮想化機能
AMD-V / SVMAMD製CPUの仮想化機能
用途Docker、仮想マシン、エミュレーターなど

Dockerは「コンテナ」という軽量な仮想環境を使うため、この機能が必要です。

解決方法: BIOSで仮想化を有効にする

手順1: PCを再起動してBIOSに入る

再起動中に以下のキーを連打(メーカーによって異なる):

メーカーキー
HPF10 または Esc
DellF2
LenovoF1 または F2
ASUSF2 または Del
AcerF2 または Del
自作PCDel
手順2: 仮想化設定を探す

BIOS画面で以下のような項目を探してください:

  • Virtualization Technology / 仮想化技術
  • Intel VT-x
  • AMD-V / SVM Mode

場所の例:

  • 「Advanced」→「CPU Configuration」
  • 「Security」→「Virtualization」
  • 「System Configuration」

HP の場合: 「Security」または「Advanced」タブ内に「セットアップ仮想化技術」または「Virtualization Technology」があります。

手順3: 有効化(Enable)

該当の項目を Enabled(有効)に変更

手順4: 保存して終了

F10キー を押す →「Save and Exit」→ Yes

PCが自動的に再起動されます。

手順5: Docker Desktopを起動

再起動後、Docker Desktopを起動して正常に動作するか確認してください。

Mac: 「Docker Desktop requires a newer macOS version」エラー

原因: macOSのバージョンが古い

解決方法:

  1. システム設定 →「ソフトウェアアップデート」
  2. macOSを最新版にアップデート

起動が遅い

原因: リソース不足またはウイルス対策ソフトの干渉

解決方法:

  1. Docker Desktop設定でメモリを増やす
  2. ウイルス対策ソフトでDockerを除外設定にする

まとめ

このモジュールで学んだこと

  • Docker Desktopをインストールできた
  • ターミナルでDockerコマンドが実行できる
  • Docker Desktopの起動・停止ができる

次のステップ

Docker Desktopのインストールが完了したら、次のモジュール「n8n Docker セットアップガイド」に進んでください。

n8nをDockerで起動し、ワークフロー自動化を始めましょう。


参考資料

運営: ゆめスタ