Docker Desktop インストールガイド
このモジュールで学ぶこと
- Docker Desktopとは何か
- Windows/Mac向けインストール手順
- 正常にインストールされたかの確認方法
学習目標
このモジュールを終えると、以下のことができるようになります:
- Docker Desktopがインストールされている
- ターミナルでDockerコマンドが実行できる
- Docker Desktopを起動・停止できる
目次
- セクション1: Docker Desktopとは
- セクション2: システム要件
- セクション3: ダウンロード
- セクション4: インストール(Windows)
- セクション5: インストール(Mac)
- セクション6: 初回起動と設定
- セクション7: 動作確認
- トラブルシューティング
- まとめ
セクション1: Docker Desktopとは
Dockerの概要
Docker(ドッカー)は、アプリケーションを「コンテナ」という単位で動かす技術です。
なぜDockerを使うのか
| 従来の方法 | Dockerを使う方法 |
|---|---|
| 複雑な環境構築が必要 | コマンド1つで起動 |
| 環境差異でエラーが起きる | どのPCでも同じ動作 |
| アンインストールが大変 | コンテナ削除で完了 |
Docker Desktopとは
Docker Desktopは、WindowsやMacでDockerを簡単に使えるようにするアプリケーションです。
- GUI(画面) でコンテナを管理できる
- 自動起動 でDockerを常に使える状態に
- 無料 で個人利用可能
セクション2: システム要件
Windows
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| OS | Windows 10 64bit (Build 19041以降) / Windows 11 |
| メモリ | 4GB以上(8GB推奨) |
| CPU | 64bit、仮想化対応 |
| ストレージ | 20GB以上の空き容量 |
Mac
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| OS | macOS 12 (Monterey) 以降 |
| メモリ | 4GB以上(8GB推奨) |
| CPU | Apple Silicon (M1/M2/M3) または Intel |
| ストレージ | 20GB以上の空き容量 |
確認方法
Windowsの場合
Windowsキー + Iで設定を開く- 「システム」→「バージョン情報」
- Windowsのバージョンとビルド番号を確認
Macの場合
- 左上のリンゴマーク →「このMacについて」
- macOSのバージョンを確認
セクション3: ダウンロード
公式サイトにアクセス
以下のURLからDocker Desktopをダウンロードします:
https://www.docker.com/products/docker-desktop/
ダウンロード手順
- 上記URLにアクセス
- 「Download for Windows」または「Download for Mac」をクリック

どちらをダウンロードする?
Windowsの場合
AMD64(x86_64) を選択してください。ほとんどのWindows PCはこちらです。
Macの場合
Macには2種類のダウンロードがあります:
| チップ | 選択 | 対象 |
|---|---|---|
| M1, M2, M3, M4 | ARM64(Apple Silicon) | 2020年以降のMac |
| Intel | AMD64(Intel chip) | 2020年以前のMac |
自分のMacを確認する方法
- 左上の リンゴマーク をクリック
- 「このMacについて」 を選択
- 表示を確認:
- 「チップ」に Apple M1/M2/M3/M4 と書いてあれば → ARM64
- 「プロセッサ」に Intel と書いてあれば → AMD64

チェックポイント
- Docker Desktopのインストーラーがダウンロードされた
- ファイル名:
Docker Desktop Installer.exe(Windows)またはDocker.dmg(Mac)
セクション4: インストール(Windows)
インストール手順
1. インストーラーを実行
ダウンロードした Docker Desktop Installer.exe をダブルクリック
2. 設定画面
以下のオプションが表示されます:
| オプション | 推奨 | 説明 |
|---|---|---|
| Use WSL 2 instead of Hyper-V | チェック入れる | Linuxコンテナ用(n8nはこれで動く) |
| Add shortcut to desktop | お好みで | デスクトップにショートカット作成 |
| Allow Windows containers | チェック不要 | Windows専用アプリ開発用(n8nには不要) |

「OK」をクリックしてインストール開始
3. インストール完了
インストールが完了すると「Close and restart」ボタンが表示されます。
PCを再起動 してください。
WSL 2について
WSL 2(Windows Subsystem for Linux 2)は、Windows上でLinuxを動かす仕組みです。
Docker DesktopはWSL 2を使うことで、より高速に動作します。
WSL 2のインストール手順
インストール中または起動時に「WSL 2のインストールが必要」「コマンドラインが無効」などと表示された場合、以下の手順でWSL 2をセットアップします。
手順1: PowerShellを管理者権限で開く
- スタートメニューで「PowerShell」を検索
- 右クリック →「管理者として実行」
手順2: WSLをインストール
wsl --install
このコマンドでインストールできれば、PCを再起動して完了です。
「無効」エラーが出た場合
wsl --installで「無効」などのエラーが出た場合、Windowsの機能を手動で有効にする必要があります。
方法A: コマンドで有効化(推奨)
PowerShell(管理者)で以下を順番に実行:
dism.exe /online /enable-feature /featurename:Microsoft-Windows-Subsystem-Linux /all /norestart
dism.exe /online /enable-feature /featurename:VirtualMachinePlatform /all /norestart
その後PCを再起動し、再度 wsl --install を実行。
コマンドの意味:
| 部分 | 意味 |
|---|---|
dism.exe | Windows機能を管理するMicrosoft公式ツール |
/online | 今動いているWindowsに対して実行 |
/enable-feature | 機能を有効化する |
/featurename:... | 有効にする機能の名前 |
/norestart | 自動で再起動しない |
安全性: これはMicrosoft公式の手順です。Windowsに元々含まれている機能をONにするだけで、何かをインストールするわけではありません。
方法B: 画面操作で有効化
コマンドが不安な場合は、画面操作でも同じことができます:
- スタートメニューで「Windows の機能の有効化または無効化」を検索して開く
- 以下の2つにチェックを入れる:
- Linux 用 Windows サブシステム
- 仮想マシン プラットフォーム
- 「OK」をクリック
- PCを再起動
- 再起動後、PowerShell(管理者)で
wsl --installを実行
「カーネルファイルが見つかりません」エラーが出た場合
WSLの状態確認(wsl --status)で以下のようなメッセージが表示された場合:
WSL 2 カーネル ファイルが見つかりません。カーネルを更新または復元するには、'wsl.exe --update' を実行してください。
以下のコマンドでカーネルをインストールします:
wsl --update
これでWSL 2カーネルがダウンロード・インストールされます。
WSLの状態確認方法
現在のWSLの状態を確認するには:
wsl --status
正常な場合、以下のように表示されます:
既定のバージョン: 2
チェックポイント
- Docker Desktopのインストールが完了した
- WSL 2がセットアップされた(必要な場合)
- PCを再起動した
セクション5: インストール(Mac)
インストール手順
1. DMGファイルを開く
ダウンロードした Docker.dmg をダブルクリック
2. アプリケーションフォルダにドラッグ
表示されたウィンドウで、DockerアイコンをApplicationsフォルダにドラッグ&ドロップ

3. Docker Desktopを起動
Launchpadまたはアプリケーションフォルダから「Docker」を起動
4. セキュリティ許可
初回起動時、以下の許可を求められます:
- 「"Docker"はインターネットからダウンロードされたアプリケーションです」→「開く」
- システム拡張機能の許可 →「許可」
- ネットワークアクセスの許可 →「許可」
チェックポイント
- Docker DesktopがApplicationsフォルダにインストールされた
- 初回起動の許可を完了した
セクション6: 初回起動と設定
Docker Desktopの起動
Windows
- スタートメニューから「Docker Desktop」を検索して起動
- またはデスクトップのショートカットをダブルクリック
Mac
- Launchpadから「Docker」を起動
- またはアプリケーションフォルダから起動
初回起動時の画面
初回起動時、いくつかの画面が順番に表示されます。
画面1: 利用規約(Docker Subscription Service Agreement)
「Accept」をクリックしてください。
| 利用形態 | 料金 |
|---|---|
| 個人利用 | 無料 |
| 教育・学習目的 | 無料 |
| 小規模企業(従業員250人未満) | 無料 |
| 大企業 | 有料 |
n8nの学習・個人利用なら無料で使えます。
画面2: アカウント登録(Welcome to Docker Desktop)
スキップしてOKです。
メールアドレスの登録やDocker Hubアカウントの作成を求められますが、n8nには不要です。
以下のいずれかをクリックしてスキップ:
- 「Skip」
- 「Continue without signing in」
- 「Skip for now」
画面3: アンケート(Survey)
これもスキップでOKです。
「Skip」をクリックして進んでください。
起動完了の確認
Docker Desktopが正常に起動すると:
- Windows: タスクバー(右下)にクジラのアイコンが表示
- Mac: メニューバー(右上)にクジラのアイコンが表示
クジラのアイコンが静止していれば起動完了です。
注意: アイコンがアニメーション中は起動処理中です。静止するまで待ってください。
推奨設定
Docker Desktopの設定画面(歯車アイコン)で以下を確認:
General
- Start Docker Desktop when you sign in → チェックを入れる(PC起動時に自動起動)
Resources(リソース)
- Memory: 4GB以上(8GB推奨)
- CPUs: 2以上
チェックポイント
- Docker Desktopが起動した
- タスクバー/メニューバーにクジラアイコンが表示された
- アイコンが静止している(起動完了)
セクション7: 動作確認
ターミナルを開く
Windows
- スタートメニューで「cmd」または「PowerShell」を検索
- 「コマンドプロンプト」または「PowerShell」を起動
Mac
- Spotlight(
Command + Space)で「Terminal」を検索 - ターミナルを起動
Dockerバージョン確認
以下のコマンドを実行:
docker --version
正常な出力例
Docker version 28.1.1, build 4eba377
バージョン番号が表示されればOK。
Docker Composeバージョン確認
docker-compose --version
正常な出力例
Docker Compose version v2.35.1-desktop.1
テストコンテナの実行
Dockerが正常に動作するか確認:
docker run hello-world
正常な出力例
Hello from Docker!
This message shows that your installation appears to be working correctly.
...
「Hello from Docker!」と表示されれば成功です。
チェックポイント
-
docker --versionでバージョンが表示された -
docker-compose --versionでバージョンが表示された -
docker run hello-worldが成功した
トラブルシューティング
「docker: command not found」エラー
原因: Docker Desktopが起動していない、またはパスが通っていない
解決方法:
- Docker Desktopを起動する
- クジラアイコンが静止するまで待つ
- ターミナルを新しく開き直す
「Cannot connect to the Docker daemon」エラー
原因: Docker Desktopが完全に起動していない
解決方法:
- Docker Desktopを再起動
- 1-2分待ってから再度コマンドを実行
Windows: 「WSL 2 installation is incomplete」エラー
解決方法:
- 管理者権限でPowerShellを開く
- 以下を実行:
wsl --update
- PCを再起動
Windows: 「Hyper-V is not enabled」エラー
解決方法:
- 「Windows の機能の有効化または無効化」を開く
- 「Hyper-V」にチェックを入れる
- 「Windows ハイパーバイザー プラットフォーム」にチェックを入れる
- PCを再起動
Windows: 「Virtualization support not detected」エラー
原因: BIOSで仮想化機能が無効になっている
仮想化技術とは?
仮想化技術(Virtualization Technology)とは、1台のPCの中で「仮想的なPC」を動かすための技術です。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| Intel VT-x | Intel製CPUの仮想化機能 |
| AMD-V / SVM | AMD製CPUの仮想化機能 |
| 用途 | Docker、仮想マシン、エミュレーターなど |
Dockerは「コンテナ」という軽量な仮想環境を使うため、この機能が必要です。
解決方法: BIOSで仮想化を有効にする
手順1: PCを再起動してBIOSに入る
再起動中に以下のキーを連打(メーカーによって異なる):
| メーカー | キー |
|---|---|
| HP | F10 または Esc |
| Dell | F2 |
| Lenovo | F1 または F2 |
| ASUS | F2 または Del |
| Acer | F2 または Del |
| 自作PC | Del |
手順2: 仮想化設定を探す
BIOS画面で以下のような項目を探してください:
- Virtualization Technology / 仮想化技術
- Intel VT-x
- AMD-V / SVM Mode
場所の例:
- 「Advanced」→「CPU Configuration」
- 「Security」→「Virtualization」
- 「System Configuration」
HP の場合: 「Security」または「Advanced」タブ内に「セットアップ仮想化技術」または「Virtualization Technology」があります。
手順3: 有効化(Enable)
該当の項目を Enabled(有効)に変更
手順4: 保存して終了
F10キー を押す →「Save and Exit」→ Yes
PCが自動的に再起動されます。
手順5: Docker Desktopを起動
再起動後、Docker Desktopを起動して正常に動作するか確認してください。
Mac: 「Docker Desktop requires a newer macOS version」エラー
原因: macOSのバージョンが古い
解決方法:
- システム設定 →「ソフトウェアアップデート」
- macOSを最新版にアップデート
起動が遅い
原因: リソース不足またはウイルス対策ソフトの干渉
解決方法:
- Docker Desktop設定でメモリを増やす
- ウイルス対策ソフトでDockerを除外設定にする
まとめ
このモジュールで学んだこと
- Docker Desktopをインストールできた
- ターミナルでDockerコマンドが実行できる
- Docker Desktopの起動・停止ができる
次のステップ
Docker Desktopのインストールが完了したら、次のモジュール「n8n Docker セットアップガイド」に進んでください。
n8nをDockerで起動し、ワークフロー自動化を始めましょう。