Canva一括作成でリール素材を量産

45分⭐⭐☆☆☆

このモジュールで学ぶこと

  • Canva一括作成(Bulk Create)機能の使い方
  • Googleスプレッドシートに直接接続してデータを読み込む方法
  • テンプレートの各要素にデータを紐づける方法
  • 複数デザインを一括生成する方法

学習目標

このモジュールを終えると、以下のことができるようになります:

  • CanvaからGoogleスプレッドシートに直接接続してデータを読み込める
  • テンプレートのテキスト要素にシートのデータを紐づけられる
  • 複数のリール動画素材を一括で生成できる

目次


事前準備

必要なもの

  • Canva Proアカウント(Bulk Create機能に必要)
  • Module 08で作成したcanva_Aシート(または他のカテゴリシート)にデータがあること
  • Googleアカウント

確認事項

canva_Aシートに以下のようなデータが入っていることを確認してください。

post_idnarration_1narration_2hooktitle_1title_2title_3...
POST-xxxテキストテキストテキストAntigravityVS従来の開発...

セクション1: Canvaテンプレートの準備

Step 1: リール用デザインを作成

  1. Canva(https://www.canva.com)にログイン
  2. 「デザインを作成」をクリック
  3. 「Instagramリール」を選択(1080 x 1920 px)

Step 2: テンプレートの構成

カテゴリAの「VS対決型」を例に、以下の要素を配置します。

要素内容紐づける列
上部テキストフック(掴み)hook
タイトル1対決の左側title_1
タイトル2VStitle_2
タイトル3対決の右側title_3
モニター内テキストセリフ・ステップnarration_1, step3_1 など
キャラクター固定(データ紐づけなし)-

Canvaエディター画面

テンプレートには以下の要素が配置されています:

  • 背景(サイバー風のデザイン)
  • キャラクター(立ち絵)
  • モニター画面(テキスト表示エリア)
  • 複数のテキスト要素(タイムラインで管理)

Step 3: 複数ページの作成

リール動画は複数のシーンで構成されます。画面下部のタイムラインで各シーンを管理します。

  • 各シーンにテキスト要素を配置
  • シーンごとに表示するテキストを変更
  • アニメーションを設定(オプション)

チェックポイント

  • Instagramリール用デザインを作成できた
  • テキスト要素を配置できた
  • 複数シーンを作成できた

セクション2: 一括作成アプリを開く

Step 1: アプリメニューを開く

  1. エディター左側のサイドバーで「アプリ」をクリック
  2. 「Canvaのその他のアプリ」セクションを確認

アプリメニュー

アプリ一覧には以下が表示されます:

  • AI音声生成
  • マジック...
  • グラフ
  • 写真
  • 一括作成 ← これを選択
  • 自動デー...
  • オーディオ
  • 背景

Step 2: 一括作成を選択

「一括作成」アイコンをクリックすると、データソース選択画面が表示されます。

一括作成ステップ1

画面上部に「1 2 3」のステップ表示があり、以下の流れで進みます:

  1. データソースを選択
  2. データと素材を紐づける
  3. データを適用する

チェックポイント

  • アプリメニューを開けた
  • 一括作成アプリを見つけられた

セクション3: Googleスプレッドシートに接続

Step 1: データソースを選択

「データソースを選択」画面で「スプレッドシート」を選択します。

データソース選択

表示されるオプション:

  • スプレッドシート ← これを選択(Googleスプレッドシートから直接読み込み)
  • Google スプレッドシート
  • HubSpot
  • Google アナリティクス
  • その他...

画面下部に2つのボタンがあります:

  • 「データを手動で入力」
  • 「データをアップロード」

「スプレッドシート」を選択してください。

Step 2: スプレッドシートを選択

Googleアカウントへのアクセスを許可すると、スプレッドシート選択画面が表示されます。

スプレッドシート選択

「最近開いた項目」から「n8n-test」を選択します。

Step 3: シートを選択

スプレッドシート内のシート一覧が表示されます。

シート一覧

n8n-testには12シートがあります:

  • posts
  • ideas
  • canva_A ← 今回はこれを選択
  • canva_B
  • canva_C
  • canva_D
  • canva_E
  • media
  • config
  • archive
  • large_categories
  • その他...

「canva_A」を選択します(または使用したいカテゴリのシート)。

チェックポイント

  • スプレッドシートに接続できた
  • n8n-testを選択できた
  • canva_Aシートを選択できた

セクション4: データと素材を紐づける

Step 1: 紐づけ画面の確認

シートを選択すると、ステップ2「データと素材を紐づける」画面に移動します。

データ紐づけ画面

左パネルに以下の情報が表示されます:

  • 「追加されたデータフィールドはありません」(最初の状態)
  • 利用可能なフィールド一覧:
    • post_id
    • narration_1
    • narration_2
    • hook
    • title_1
    • title_2
    • title_3
    • problem_1
    • problem_2
    • problem_3
    • ...

Step 2: テキスト要素を選択してデータを接続

  1. キャンバス上でデータを紐づけたいテキスト要素をクリック
  2. 上部ツールバーに「データの接続」ボタンが表示される

データの接続ボタン

  1. 「データの接続」をクリック

Step 3: フィールドを選択

「データの接続」パネルが表示されます。

データフィールド一覧

フィールド一覧から紐づけたい列を選択します:

  • post_id
  • narration_1
  • narration_2
  • hook
  • title_1
  • title_2
  • title_3
  • problem_1
  • ...

「データ接続を解除」ボタンで紐づけを解除することもできます。

Step 4: 各テキスト要素に紐づけ

テンプレート内のすべてのテキスト要素に対して、対応するフィールドを紐づけます。

テキスト要素の位置紐づけるフィールド
上部のフックhook
タイトル左title_1
中央(VS)title_2
タイトル右title_3
モニター内シーン1step3_1
モニター内シーン2step3_2
モニター内シーン3step3_3
その他のテキスト対応するフィールド

Step 5: 紐づけ完了状態の確認

紐づけが完了すると、テンプレート上に紫色のラベルでフィールド名が表示されます。

紐づけ完了状態

  • 各テキスト要素に紫色のラベル(hook, step3_1, title_1, title_2, step3_2, step3_3, title_3など)が表示される
  • これにより、どの要素にどのフィールドが紐づいているか一目で確認できる

チェックポイント

  • テキスト要素を選択できた
  • 「データの接続」ボタンを見つけられた
  • 各テキスト要素にフィールドを紐づけられた
  • 紫色のラベルが表示されている

セクション5: 高度なオプションの設定

Step 1: 高度なオプションを開く

左パネル下部の「高度なオプション」をクリックします。

高度なオプション

Step 2: 出力設定

以下の設定を行います:

設定項目選択する値説明
出力〇個のデザインデータ行ごとに別々のデザインを作成
各デザインの名前を選択title_1列のデータ生成されるデザインの名前に使用
保存先プロジェクト / 新しいフォルダー整理しやすい場所を選択

重要: 「1つのデザインで複数ページを作成」は選択しないでください。これは1つのデザイン内に複数ページを追加する場合に使用します。

Step 3: 保存先フォルダの作成(推奨)

「新しいフォルダーの名前」に分かりやすい名前を入力します。

例: 202512Instagram投稿

「新しいフォルダーに移動」ボタンをクリックしてフォルダを作成します。

チェックポイント

  • 「〇個のデザイン」を選択した
  • デザイン名の列を選択した
  • 保存先を設定した

セクション6: デザインを一括生成

Step 1: 続行してプレビュー確認

「続行」ボタンをクリックすると、ステップ3「データを適用する」画面に移動します。

生成確認画面

生成するデザインの一覧が表示されます:

  • すべて選択(チェックボックス)
    1. 未来の開発は?, Antigravity, VS, 従来の...
    1. もう迷わない!, ノーコード自動化, VS, ...
    1. 開発が劇変!, Antigravity, VS, Copilot, ...
    1. 見ないと損!, ローコード, VS, ノーコー...
    1. 時短術見つけ隊?, n8n, VS, IFTTT, 自動...

各行をクリックするとプレビューで確認できます。

Step 2: デザインを生成

  1. 生成したいデザインにチェックを入れる(デフォルトで全選択)
  2. 「5点のデザインを作成」ボタンをクリック
  3. 生成が完了するまで待機

Step 3: 生成結果の確認

生成が完了すると、指定したフォルダに新しいデザインが作成されます。

生成結果

  • 各デザインは独立したCanvaプロジェクトとして保存される
  • 5件のVS対決型デザインが生成されている(n8n VS UiPath, n8n VS PowerAutomate, Antigravity VS Vercel v0など)
  • デザイン名は「(一括〇) (一括1) 見出しのコピーのコピー」のように自動生成される
  • 後から個別に編集可能

チェックポイント

  • プレビューで正しくデータが表示されている
  • 「〇点のデザインを作成」ボタンをクリックした
  • デザインの生成が完了した
  • 指定したフォルダにデザインが保存された

セクション7: 動画をダウンロードしてGoogle Driveに保存

Step 1: デザインを選択してダウンロード

  1. 生成されたデザインをすべて選択(チェックボックスをクリック)
  2. 右上の「ダウンロード」ボタンをクリック
  3. ファイルの種類で「MP4形式の動画」を選択
  4. 「ダウンロード」ボタンをクリック

MP4ダウンロード

5件のデザインが一括でダウンロードされます。

Step 2: Google Driveにアップロード

  1. Google Drive(https://drive.google.com)を開く
  2. 投稿用のフォルダを作成(例: n8n-instagram > 202512Instagram投稿A
  3. ダウンロードしたMP4ファイルをアップロード

Driveにアップロード完了

5件のMP4ファイル(1.mp4〜5.mp4)がGoogle Driveに保存されました。

チェックポイント

  • デザインをMP4形式でダウンロードできた
  • Google Driveに専用フォルダを作成した
  • MP4ファイルをアップロードできた

トラブルシューティング

一括作成(Bulk Create)が表示されない

症状: アプリ一覧に一括作成がない

原因: Canva Freeプランを使用している

解決方法: Canva Proにアップグレードしてください。30日間の無料トライアルが利用可能です。

Googleスプレッドシートに接続できない

症状: スプレッドシート一覧に表示されない

原因: Googleアカウントの権限が不足している

解決方法:

  1. Canvaの設定からGoogleアカウントを一度解除
  2. 再度接続してアクセスを許可
  3. スプレッドシートの共有設定を確認

「データの接続」が表示されない

症状: テキスト要素を選択しても「データの接続」ボタンが表示されない

原因1: 一括作成アプリが開いていない

解決方法: 左サイドバーの「一括作成」アプリを開いた状態でテキストを選択してください。

原因2: テキスト以外の要素を選択している

解決方法: テキストボックスを直接クリックして選択してください。

フィールド一覧が表示されない

症状: 「データの接続」パネルにフィールドが表示されない

原因: シートにヘッダー行がない、またはデータが空

解決方法:

  1. スプレッドシートの1行目にヘッダーがあることを確認
  2. 2行目以降にデータがあることを確認
  3. Canvaでシートを再選択

一括作成で「技術的なエラー」が発生する(400 Bad Request)

症状: 「デザインを作成」ボタンをクリックすると「技術的なエラー」が表示される。ブラウザのコンソールに 400 (Bad Request) エラーが複数表示される。

原因: テンプレートの内部状態が壊れている、または以前の紐づけ情報が競合している可能性がある。

解決方法:

  1. テンプレートを右クリックして「コピーを作成」
  2. 新しいコピーで一括作成を最初からやり直す
  3. スプレッドシートを再接続し、データの紐づけを再設定

補足: データの形式(文字数、改行、特殊文字)を変更しても解決しない場合は、テンプレート側の問題である可能性が高いです。


まとめ

このモジュールで学んだこと

  • Canva一括作成(Bulk Create)アプリの開き方
  • Googleスプレッドシートに直接接続する方法
  • テンプレートのテキスト要素にデータフィールドを紐づける方法
  • 高度なオプションでデザイン名と保存先を設定する方法
  • 複数デザインを一括生成する方法
  • 生成したデザインをMP4動画としてダウンロードする方法
  • Google Driveにアップロードして管理する方法

次のステップ

次のモジュールでは、Google Driveに保存した動画をn8nワークフローでInstagramリールとして自動投稿します。


参考資料


よくある質問

Q: Canva Freeでも一括作成はできますか? A: いいえ、Bulk Create機能はCanva Pro、Teams、Education、Nonprofitsプラン専用です。

Q: CSVをアップロードする方法とスプレッドシート直接接続、どちらが良いですか? A: スプレッドシート直接接続を推奨します。n8nでデータを更新すれば、Canva側でCSVを再アップロードする必要がありません。

Q: 1回で何件のデザインを生成できますか? A: 行数に制限はありませんが、大量のデザインを生成すると時間がかかります。まずは5〜10件程度でテストすることを推奨します。

Q: 生成したデザインを後から編集できますか? A: はい、生成されたデザインは通常のCanvaデザインとして個別に編集可能です。

Q: デザイン名を「カテゴリ + 日付 + タイトル」にできますか? A: 現在のCanva一括作成では1つの列しかデザイン名に指定できません。複合的な名前を使用したい場合は、スプレッドシート側で「design_name」のような列を追加し、数式で結合した値を入れておくことで対応できます。

運営: ゆめスタ