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Instagram API セットアップガイド

45-60分⭐⭐⭐☆☆

このモジュールで学ぶこと

  • Meta for Developers（Facebook開発者）への登録方法
  • Facebookページの作成とInstagramアカウントの連携
  • Instagram Graph APIを使うためのアプリ作成
  • アクセストークンの取得方法

学習目標

このモジュールを終えると、以下のことができるようになります：

  • FacebookページとInstagramプロアカウントを連携できる
  • Meta for Developersでアプリを作成できる
  • Instagram APIに必要な権限を設定できる
  • n8nで使用するアクセストークンを取得できる

目次

事前準備

必要なもの

  • Instagramプロアカウント（ビジネスまたはクリエイター）
  • Facebookアカウント
  • クレジットカード（本人確認用、課金はされません）
  • 安定したインターネット接続

推奨環境

  • PC（Windows/Mac/Linux）
  • ブラウザ（Chrome推奨）

事前確認

  • Instagramアカウントが「プロアカウント」に切り替え済み
  • Instagramアカウントが「公開」設定になっている

セクション1: Facebookページの作成

Facebookページとは

Instagram Graph APIを使用するには、InstagramプロアカウントをFacebookページに連携する必要があります。Facebookページはビジネス用のFacebookアカウントで、個人アカウントとは別に作成します。

作成手順

  1. Facebook にログイン
  2. 左側メニューから「ページ」をクリック
  3. 「新しいページを作成」をクリック
  4. 以下を入力：
    • ページ名: 任意（例: 天ちゃんの0から始めるエンジニア生活）
    • カテゴリ: 任意（例: 教育）
  5. 「ページを作成」をクリック

チェックポイント

  • Facebookページが作成された
  • ページ名が正しく設定された

セクション2: InstagramとFacebookページの連携

Meta Business Suiteにアクセス

  1. Meta Business Suite にアクセス
  2. 作成したFacebookページでログイン

Instagramアカウントを連携

  1. 左メニューの「設定」をクリック
  2. 「リンク済みアカウント」または「Instagram」を選択
  3. 「Instagramアカウントをリンク」をクリック
  4. Instagramの認証情報を入力してログイン
  5. 連携を許可

連携確認

連携が完了すると、以下のような表示になります：

ページにリンク済みのInstagram
[Instagramユーザー名]
Instagramアカウント「[ユーザー名]」がFacebookページ「[ページ名]」にリンクされました。
リンクされたこれらのプロフィールは、ビジネスポートフォリオ内に含まれています。

チェックポイント

  • Meta Business Suiteにアクセスできた
  • InstagramアカウントがFacebookページに連携された
  • 「ビジネスポートフォリオ内に含まれています」と表示された

セクション3: Meta for Developers 登録

開発者サイトにアクセス

  1. 新しいブラウザ または シークレットウィンドウ を開く
  2. developers.facebook.com にアクセス
  3. Facebookアカウントでログイン

重要: Meta Business Suiteにログイン中のブラウザだとリダイレクトされることがあります。別ブラウザで直接アクセスしてください。

開発者登録画面

初回アクセス時、以下の画面が表示されます：

Meta for Developers 登録画面

登録の流れ：

  1. Register（登録）
  2. Verify account（アカウント確認）
  3. Contact info（連絡先情報）
  4. About you（自己紹介）

「次へ」をクリックして進みます。

アカウント認証

電話番号認証画面

認証方法は2つあります：

方法説明
電話番号SMSで認証コードを受信
クレジットカードカード情報で本人確認（課金なし）

電話番号認証でエラーが出る場合は、画面下部の「クレジットカードを追加して、アカウントを認証することもできます。」をクリックして、クレジットカード認証を使用してください。

開発者タイプの選択

「開発者」「マーケター」などの選択肢が表示されます。自分に近いものを選択してください（どれを選んでも機能に違いはありません）。

登録完了

登録が完了すると、開発者ダッシュボードが表示されます：

開発者ダッシュボード

「アプリはまだありません」と表示されていればOKです。

チェックポイント

  • developers.facebook.comにアクセスできた
  • アカウント認証が完了した
  • 開発者ダッシュボードが表示された

セクション4: アプリの作成

アプリ作成を開始

  1. ダッシュボードの「アプリを作成」をクリック

アプリの詳細を入力

アプリ作成画面

  1. アプリ名: 任意の名前を入力

    • 例: social-post-workflow
    • 注意: 「instagram」「facebook」などのMeta商標は使用不可

  2. アプリの連絡先メールアドレス: 受信可能なアドレスを確認

  3. 「次へ」をクリック

ユースケースの選択

ユースケース選択画面

  1. 左側のフィルターで 「コンテンツ管理」 をクリック
  2. 「Instagramでメッセージとコンテンツを管理」 にチェックを入れる
    • 「Instagram APIで投稿の公開、ストーリーズのシェア、コメントへの返信、ダイレクトメッセージへの回答などができます。」
  3. 「次へ」をクリック

ビジネスポートフォリオの選択

ビジネスポートフォリオ選択

  1. セクション2で作成したビジネスポートフォリオを選択
  2. 「次へ」をクリック

公開の要件

「要件を特定できませんでした」と表示される場合はそのまま「次へ」をクリック。

概要確認

概要確認画面

設定内容を確認します：

項目内容
アプリ名入力した名前
メールアドレス連絡先メール
ユースケースInstagramでメッセージとコンテンツを管理
ビジネス選択したビジネスポートフォリオ

確認したら「ダッシュボードに移動」をクリック。

注意: パスワードの再入力を求められる場合があります。

アプリダッシュボード

アプリダッシュボード

アプリが作成され、ダッシュボードが表示されます。「アプリダッシュボードへようこそ」のポップアップは「完了」で閉じてOKです。

チェックポイント

  • アプリ名を設定した（Meta商標を含まない）
  • 「Instagramでメッセージとコンテンツを管理」を選択した
  • ビジネスポートフォリオを選択した
  • アプリダッシュボードが表示された

セクション5: Instagramテスターの追加

アクセストークンを取得する前に、Instagramアカウントを「テスター」として追加する必要があります。

アプリの役割設定

アプリの役割画面

  1. 左メニューの「アプリの役割」をクリック
  2. 「役割」を選択
  3. 右上の 「メンバーを...」 ボタンをクリック

Instagramテスターを追加

Instagramテスター追加

「アプリに人を追加」ダイアログが表示されます：

  1. 「Instagramテスター」 を選択
    • 「Instagram Basic Display APIで必要なすべてのアクセス許可、機能、および製品をテストできます」
  2. 「追加」をクリック
  3. Instagramのユーザー名を入力して追加

Instagram側で招待を承認

  1. Instagramアプリを開く
  2. プロフィール → 設定 → アプリとウェブサイト → テスター招待
  3. 招待を「承認」

追加完了の確認

Instagramテスター追加完了

アプリの役割画面に、Instagramテスターとして追加されたアカウントが表示されます。

チェックポイント

  • 「アプリの役割」→「メンバーを...」から追加した
  • 「Instagramテスター」を選択した
  • Instagram側で招待を承認した
  • 役割画面にInstagramテスターが表示された

セクション6: ユースケースのカスタマイズ

ユースケース画面へ

ユースケース画面

  1. 左メニューの「ユースケース」をクリック
  2. 「Instagramでメッセージとコンテンツを管理」の 「カスタマイズ」 をクリック

Instagram API設定画面

Instagram APIカスタマイズ画面

この画面で以下の設定を行います：

  1. 必要なメッセージアクセス許可を追加する
  2. アクセストークンを生成する
  3. Webhooksを設定する（n8n投稿には不要）
  4. Instagramビジネスログインを設定する
  5. アプリレビューを完了する（テストモードでは不要）

チェックポイント

  • ユースケースの「カスタマイズ」をクリックした
  • Instagram API設定画面が表示された

セクション7: アクセストークンの取得

権限の追加

「1. 必要なメッセージアクセス許可を追加する」セクションで：

  1. 「Add all required permissions」 ボタンをクリック

以下の権限が追加されます：

  • instagram_business_basic
  • instagram_manage_comments
  • instagram_business_manage_messages

アクセストークンの生成

「2. アクセストークンを生成する」セクションで：

トークン生成準備

Instagramアカウントが表示されています。

  1. 「トークンを生成」 をクリック

Instagramアカウント追加のポップアップ

アカウント追加ポップアップ

  • 追加できるのはInstagramプロアカウントのみ
  • トークンは公開Instagramアカウント用にのみ生成可能

「次へ」をクリックすると、Instagramログイン画面が表示されます。

権限の許可

Instagram権限許可画面

Instagramの権限許可画面が表示されます。すべての権限をONにしてください：

権限状態
メッセージへのアクセスを許可ON
プロフィールの表示とメディアへのアクセス（必須）ON
コメントへのアクセスと管理ON
メッセージへのアクセスと管理ON
コンテンツへのアクセスと公開ON（必須）
インサイトへのアクセスと管理ON

重要: 「コンテンツへのアクセスと公開」をONにしないとInstagramに投稿できません。

すべてONにしたら「許可」をクリック。

トークンの保存

トークン生成完了

トークンが生成されると、以下の画面が表示されます：

トークンが生成されました

アクセストークン
XXXXX●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
  1. 「理解しました」 にチェック
  2. 「コピー」 ボタンをクリック
  3. 安全な場所に保存（メモ帳、パスワードマネージャーなど）
  4. 「完了」をクリック

重要: このトークンは一度しか表示されません。なくした場合は再生成が必要です。

チェックポイント

  • 「Add all required permissions」で権限を追加した
  • 「トークンを生成」をクリックした
  • Instagramにログインして権限を許可した
  • 「コンテンツへのアクセスと公開」をONにした
  • アクセストークンをコピーして安全に保存した

トラブルシューティング

developers.facebook.comで「アクセス権がありません」エラー

アクセス権エラー

症状: developers.facebook.comにアクセスすると「アクセス権がありません。この機能はまだ利用できません。」と表示される

原因: Meta Business Suiteにログイン中のブラウザでアクセスするとリダイレクトされる

解決方法:

  • 別のブラウザで直接 developers.facebook.com にアクセス
  • またはシークレットウィンドウを使用

電話番号認証で「一時的なエラー」

症状: 開発者登録時の電話番号認証で「一時的なエラーが発生しました」と表示される

解決方法:

  • 「クレジットカードを追加して、アカウントを認証することもできます」のリンクをクリック
  • クレジットカードで認証（実際に課金はされません）

アプリ名に「instagram」が使えない

症状: アプリ名入力時に「『instagram』のような用語は使用できません」と表示される

原因: Meta商標・ブランド関連の用語（FB、Face、Book、Insta、Gram等）は禁止

解決方法: 別の名前を使用

  • 例: social-post-workflow、my-social-app

「開発者の役割が不十分です」エラー

開発者の役割エラー

症状: トークン生成時にInstagramログイン後「開発者の役割が不十分です」と表示される

原因: Instagramアカウントがテスターとして追加されていない

解決方法:

  1. 「アプリの役割」→「役割」に移動
  2. 「メンバーを...」ボタンをクリック
  3. 「Instagramテスター」を選択して追加
  4. Instagram側で招待を承認
  5. 再度トークン生成を試す

セクション8: サーバーIP許可リストの設定（推奨）

n8nからInstagram APIを呼び出す際、Facebookが「不正なアクセス」と判断してブロックする場合があります。これを防ぐため、n8nサーバーのIPアドレスを許可リストに登録しておくことを推奨します。

n8nサーバーのIPアドレスを確認

  1. n8nで新しいワークフローを作成
  2. HTTP Requestノードを追加
  3. 以下を設定：
    • URL: https://ifconfig.me
    • Method: GET
  4. 「Execute step」をクリック
  5. 出力されたIPアドレスをメモ（例: xxx.xxx.xxx.xxx）

Facebook開発者ダッシュボードで設定

サーバーIP許可リスト設定画面

  1. developers.facebook.com にアクセス
  2. 作成したアプリを選択
  3. 左メニューの「アプリの設定」→「詳細設定」をクリック
  4. 「セキュリティ」セクションを見つける
  5. 「サーバーIP許可リスト」 にn8nサーバーのIPアドレスを入力
  6. 「変更を保存」をクリック

注意事項

  • 自宅回線など動的IPの場合、IPアドレスが変わると再設定が必要
  • 複数のIPアドレスを登録可能（カンマ区切り）

チェックポイント

  • n8nでIPアドレスを確認した
  • FacebookアプリのサーバーIP許可リストに登録した

まとめ

このモジュールで学んだこと

  • FacebookページとInstagramプロアカウントの連携方法
  • Meta for Developersへの登録手順
  • Instagram APIを使うためのアプリ作成方法
  • Instagramテスターの追加方法
  • アクセストークンの取得方法

次のステップ

次のモジュールでは、取得したアクセストークンを使って、n8nでInstagramに自動投稿するワークフローを構築します。

参考資料

よくある質問

Q: テストモードのままでずっと使えますか？ A: はい。自分のInstagramアカウントに投稿するだけなら、アプリを公開する必要はありません。テストモードで永続的に使用できます。

Q: アクセストークンに有効期限はありますか？ A: テストモードで生成したトークンは長期間有効ですが、権限の変更やアプリ設定の変更で無効になる場合があります。その場合は再生成してください。

Q: 複数のInstagramアカウントで使えますか？ A: はい。「アカウントを追加」から追加のInstagramアカウントを連携し、それぞれのトークンを取得できます。

Q: Facebookページは公開する必要がありますか？ A: いいえ。Facebookページは公開していなくても、Instagram APIの連携には影響しません。

Q: 「コンテンツへのアクセスと公開」をOFFにしてしまいました。 A: 「ユースケース」→「カスタマイズ」→「トークンを生成」から再度ログインし、権限を許可し直してください。

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